2019.03.20
個人的なオリンピックの話
他人に話しても「はい。」くらいのリアクションしかもらえませんが、
私のどうでもいい特技の一つに
「歴代のオリンピック開催地をだいたい言える」というのがあります。
何で覚えているかというと、ただ単に地名の語感が好きだからです。
夏季オリンピック開催地は世界的に見ても有名な地名が多く、
そこまでくすぐられないのですが、
冬季開催地は、開催できる場所がかなり限られるため
初めて聞くような地名が多く、好語感の宝庫です。
その中で特に好きなのは92年と94年の冬季オリンピック開催地。
「アルベールビル(フランス)」と「リレハンメル(ノルウェー)」です。
思わず声に出して、連続して読んでみたくなる語感がそそられます。
さらに夏季と冬季の開催年が2年おきにくるよう調整するために
間が2年しか空いてないというイレギュラー感が余計にくすぐります。
もっとあげればキリがないんですが、
36年の「ガルミッシュ=パルテンキルヒェン(ドイツ)」や
56年の「コルチナ・ダンペッツォ(イタリア)」は
日本語にはない発音と、やたら長い地名で
気になってしょうがない奴です。
(2002年のソルトレイクシティも同様に好き)
ごちゃごちゃ書いてますが、本業はデザイナーなので、
もちろん「オリンピックのデザイン」にもとても興味があります。
その中でも大会のアイコンとして注目度の高いエンブレム。
第二次世界大戦以前のエンブレムのデザインは、
伝統的な形式と装飾的要素が強く、現代の感覚で見ると
「エンブレム(ロゴ)なのかこれは?使いにくそうだな…」なものが多いですが、
戦後、グラフィック表現の簡素化・合理化が進んで、
コンセプトがあり、オリジナリティに溢れたエンブレムが出てきます。
64年の東京のエンブレムは、デザイナーなら知ってて当たり前な傑作ですが、
そのあとの68年のメキシコシティや72年のミュンヘン、76年のモントリオールのエンブレムも
独創的であり、余計なものを排除したスッキリとしたデザインで好きです。
でもいささか簡素にしすぎやしないか?と思ったところに出てくるのが、
私が一番好きなエンブレム。84年のロサンゼルスです。
一見すると「プラモデルのタ☆ヤかな?」と思うようなデザインですが、
60~70年代の簡素なエンブレムの時代から、色も増え、線も増え、
動きのあるデザインに変わってきているのと、
色使いの80年代っぽさ、どアメリカンな感じから
言葉が悪いですが「ダサかっこいい」そんなエンブレムで大好きです。
90年代後半からは、手書き・筆文字・自然・調和・平和・エコ・多様性など
時代に即した色んなメッセージが込められたデザインが多いかなという印象です。
(ちょっと盛り込みすぎかなと思うのもある)
そして来年はいよいよ東京でオリンピックが開催されます。
今回のエンブレムは、いろいろありましたが、
ロスのエンブレムみたいな「ダサかっこいい」感はなく、
機械的で真面目なデザインだなと。
何かとネガティブなニュースしか聞かないですが、
それでも自国で開催されるオリンピックなんて、人生で何度もあるわけではありません。
開催期間中はできる限りいろんな競技を観戦したいですし、
街中に溢れるであろう、たくさんのオリンピックのデザインを楽しみたいと思っています。